収穫のジャガイモ 子ども食堂3団体に提供
和歌山県紀の川市貴志川町長原の甘露寺駅前にある畑で5日、和歌山電鐵㈱(和歌山市伊太祈曽、小嶋光信社長)と貴志川線の未来を“つくる”会、子ども食堂の関係者らがジャガイモを収穫し、一部を「子ども食堂」の運営団体へ無償提供した。
貴志川線の利用促進イベントの一つとして同社と同会が共催するイベント「貴志川線に乗ってじゃがいも掘り」が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続きことしも開催は見送ることとなった。例年6月初旬に実施され、500人ほどが参加する人気イベントで、開催できればことしで14回目だった。
ジャガイモ(男爵)は、長原北・鳥居地域資源保全会(吉田浩章会長)が休耕地を保全するために育てたものの一部を提供してもらっており、ことしも同イベントの開催に向け、2月ごろに植え付けされた。
この日、関係者らのみで収穫されたコンテナ20箱分ものジャガイモは、貴志川町の「子どもの生活支援ネットワークこ・はうすきしがわ」、紀美野町の「キノコ食堂(キミノコドモ食堂)」、和歌山市の「ほんまち子ども食堂」の3団体に無償提供された。同社は9日午後、貴志川線の乗客にも配布する予定。
無償提供を受けた子ども食堂の関係者らは「地域のコミュニティーに支えられ、地域の子どもたちに還元できることをうれしく思います」「食材の調達に苦労しているので、土が付いたままのジャガイモを子どもたちに見せて、子どもたちが大好きなフライドポテトを作りたい」などと感謝の気持ちを伝えた。
貴志川線の未来を“つくる”会の木村幹生代表は、貴志川線の永続を目指したイベントがコロナ禍で開けない現状について「ここで頑張らないと、いつ頑張るという気持ちで励んでいる」と話し、「ジャガイモはいろんな料理に使えるし、日持ちもするのできっと役立つはず。子どもたちが喜んでくれればうれしい」と笑顔。
同社の麻生剛史(たかし)総務企画部長は「イベントができず無力感もあるが、それに負けないように諦めず、できることをしていきたい」と話し、「地元の方が育ててくれたジャガイモを有効活用できれば」と地元の人に感謝を伝えていた。