果汁たっぷり「甘夏ゼリー」

前号では、甘夏をはじめ、和歌山県産のさまざまな柑橘(かんきつ)を使ったぜいたくなエッセンシャルオイルを取り上げた。食べてもよし、嗅いでもよしの甘夏。今週はこの時期にぴったりの食べ方である「甘夏ゼリー」を紹介したい。
作り方は簡単。まず、甘夏を水洗いし横半分に切り、しぼり機を使い果汁を取り出す。この時、甘夏の外皮を傷つけないよう注意されたい。しぼり終えた甘夏をゼリーの器として使用するため、内部に残った薄皮はスプーンなどを使い奇麗に取っておく。
続いて小さな鍋に、取り出した果汁(甘夏4個で約350㍉㍑)に50㍉㍑の水、40㌘の砂糖を加え、これらが溶けるまで中火で熱する。そこへ粉末のゼラチンを入れ、しっかりと溶かす。そして先に用意しておいた器へ流し込み、冷蔵庫で約2時間冷やせば出来上がり。
そのままスプーンで食べても良いが、器を半分に切ることで柑橘らしい断面が現れ、ちょっとしたデザートとして料理に花を添えることができる。
実際に食べてみると、すっきりとした爽やかな味わい。普通に甘夏をむいて食べるよりも果汁の濃さを感じ、一口目は甘さを感じるものの後から来る酸味の味わいが絶妙で、ゼリーにすることで甘夏の良さが引き立つように思う。驚いたのが甘夏を搾ったときの果汁の多さ。たっぷりの果汁がある甘夏ならではの楽しみ方である。
早くも真夏日を記録したこの時期。お子さんやお孫さんにも喜ばれる甘夏ゼリーを、ぜひ試してみてほしい。
(次田尚弘/和歌山市)