特殊詐欺を声掛けで防止 銀行員に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山西署は23日、紀陽銀行湊支店の木村茉由さん(24)に感謝状を贈呈した。

県内では、ことし特殊詐欺の被害件数が急増。県警では、3月から特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤルを開設するなど対策に力を入れている。

同署などによると、3日午後1時半ごろ、60代の女性が携帯電話で話しながら同店を訪れた。ちょうどその日は市内の警察と銀行が連携し、特殊詐欺防止の呼び掛けを実施しており、警戒にあたっていた木村さんは、女性が「今銀行に着いた」と話しているのに気付き、詐欺ではないかと注視していたという。女性がATMの操作を始めたので「ご案内しましょうか」と声を掛けると、女性は「大丈夫」と答え、電話の相手に「今、銀行の人が来てくれた」と説明。すると相手は、急に電話を切り、かけ直しても出なかったという。女性のもとには、和歌山市役所の介護保険課を名乗る人物から「保険料の払い戻しがあり、きょうであれば銀行で手続きができる」といった内容の電話があったという。木村さんは、県警作製の特殊詐欺防止啓発用のチラシを見せたところ、女性は書かれている被害者の状況が自身と酷似していたことなどから「え!これや!」と驚きの声を上げ、還付金詐欺だと気が付いたという。木村さんの上司が管内の同署に通報し、被害を未然に防ぐことができた。

同日、同署であった贈呈式で森昇治署長から感謝状を受け取った木村さんは「今回は啓発活動があったからこそ、詐欺を防げた。今後も同じような方が来店されるかもしれないので、確認し、被害を防いでいきたい」と話していた。

 

森署長㊨から表彰を受ける木村さん