市高か智弁か 甲子園懸け、きょう決勝
第103回全国高校野球選手権和歌山大会は27日午後0時半から、和歌山市毛見の紀三井寺公園野球場で決勝が行われる。対戦カードは春夏連続の甲子園出場を目指す市和歌山と、夏の和歌山大会を4年連続で制している智弁和歌山の激突。市和歌山が勝てば5年ぶり7回目、智弁が勝てば2年ぶり25回目の優勝となる。
両チームは昨秋の新人戦、県2次予選、近畿大会準々決勝、今春の県予選決勝で対戦している。昨秋は市和歌山が3戦3勝したが、今春は智弁が7―1で勝ち、意地を見せた。
今春の選抜大会に出場し1勝を挙げた市和歌山は今夏、全4試合でコールド勝ち。初戦で県和歌山を11―1、3回戦で田辺工を7―0、準々決勝で耐久を11―0で下した。準決勝では高野山に10―0と快勝した。4試合で39得点、失点はわずか1。安定した試合運びが光る。
投手陣は、プロ注目のエース・小園に加え、本格派右腕の米田、技巧派右腕の江川が好投を見せている。淵本、伊藤も控えており、層が厚い。超高校級右腕と評される小園は140㌔台の直球や多彩な変化球で相手を圧倒。準決勝では5回を投げて被安打はわずか1。8三振を奪ってみせた。打線の中心は4番を務める主将の松川。初戦と準決勝で本塁打、準々決勝では2塁打2本を放つなど、持ち前の長打力を発揮している。5番の田中も準々決勝で4打点をマークするなど当たっている。上位から下位まで切れ目がなく、どこからでも得点を奪える。松川主将は「最大限の準備をして決勝に臨みたい」と意気込む。
智弁は今大会、初戦で実力校の箕島を8―2で破ると、3回戦は星林に11―0で快勝。初芝橋本との準々決勝では相手の2年生右腕・川端に苦しみながらも延長13回の激闘をものにした。準決勝では昨秋の近畿大会に出場した和歌山東を終盤突き放し、7―1で破った。
投手陣の充実ぶりが目を引く。140㌔台の直球と変化球を制球良く投げ込むエース・中西を軸で、左上手から緩急で勝負する高橋、試合終盤に救援として起用されることが多い伊藤、初芝橋本戦で先発した塩路らが今大会も好投を見せている。準決勝で先発した高橋は8回を1点に抑え、チームの勝利に大きく貢献した。決勝の投手起用にも注目だ。
打線はプロ注目の4番・德丸が軸。今大会はまだ本塁打がなく、決勝の大舞台でどんな打撃を見せるか。2番の大仲は準決勝で3安打。中堅から左翼方向への打撃が目立った。長打力もあり、相手にとって厄介な存在。1番・宮坂、9番・大西は俊足で、足を絡めた攻撃もできる。中谷仁監督は「市和歌山には素晴らしいバッテリーがいる。思い切ってぶつかっていきたい」と話している。
両チームとも選手層が厚く、投打に充実した戦力を誇る。頂上決戦にふさわしい試合が見られそうだ。