特殊詐欺を未然防止 紀伊郵便局長に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山東署は7月28日、和歌山市の紀伊郵便局の赤尾あゆみ局長(53)に感謝状を贈呈した。

同署では、5月に還付金詐欺被害が3件相次いだことを受け、地域課が主体となり「交番速報」という啓発チラシを作成。詐欺の手口や特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤルを記載し、管内の金融機関をはじめとする協力各所の他、防犯指導の一環として高齢者に配布しながら周知を進めている。

同署などによると7月5日午後4時20分ごろ、同局を月に1度程度訪れる高齢女性が慌てた様子でやって来た。赤尾局長は、女性がATMの前で携帯電話を取り出して電話をかけ、「コールセンターですよね」などと言いながらATMを操作し始めたことから、特殊詐欺被害を疑い、女性に声を掛けたという。女性にATMの操作を中断、通話を切ってもらい事情を聞いたところ、詐欺被害を確信し、同署に通報したことで被害を未然に防げた。

贈呈式で、同署の出納延計(すいどうのぶかず)署長から感謝状を受け取った赤尾局長は、「信じ切ってしまっているお客さんに、ATMの横に貼っている『交番速報』を読み上げると、その通りの手口でようやく気付いてくれた」と振り返り、「お客さんの大切なお金を守れたことが一番うれしい」と笑顔で話した。

出納署長は「取り組みの効果が出て良かった。詐欺被害はジェットコースターのようなもので、きっかけがあって乗ってしまうと止めるのは難しい。いろんなところに協力をお願いしており、このように詐欺を未然に防いでいただき本当にありがたい」と感謝した。

 

出納署長㊨から感謝状を受け取る赤尾局長