和歌山市などで重軽傷4人 台風9号被害

九州や中国地方を縦断した台風9号は9日、和歌山県北部にも強い風雨をもたらし、和歌山市の友ヶ島で最大瞬間風速36・0㍍を記録し、同市と日高町で4人が重軽傷を負うなどの被害が出た。

県などのまとめによると、同市内では、西浜で自転車に乗っていた人が強風にあおられて転倒し、左腕や左骨盤を骨折する重傷。園部では自転車の転倒、布引ではバイクに乗っていた配達員が2㍍下の高水敷に転落し、いずれも軽傷だった。日高町では強風で転倒した人が左大腿部を骨折する重傷を負った。

物損などの被害は、南海和歌山市駅前広場で午前9時50分ごろ、待合場所の屋根の一部の鋼板部分(15・6㍍×4・6㍍)が強風で破損し、道路に落下したが、けが人はなかった。

同市四箇郷地区では午前9時30分ごろに37軒の停電が発生し、約1時間45分後に復旧した。

交通機関の運行も乱れた。JRは、きのくに線の特急くろしお計14便の運休を8日の段階で決定した他、9日午前に南部―御坊駅間、串本―周参見駅間で一時運転を見合わせ、6本が運休(部分運休含む)、6本に最大43分の遅れが発生し、約350人に影響した。和歌山線では、踏み切り設備の確認により2本が部分運休、5本に最大23分の遅れが出、約150人に影響した。

和歌山―徳島間を結ぶ南海フェリーは9日の全16便を欠航した。