土砂崩れや道路冠水相次ぐ 各地で大雨被害
活発な前線の影響で全国の広範囲で大雨となった17日、和歌山市内では紀の川右岸の堤防のり面が崩れ、各地の道路が冠水して一時通行できなくなるなどの被害が発生し、避難者も出た。交通機関も大きく乱れ、影響は18日まで続いた(同日午後3時現在)。
和歌山河川国道事務所と和歌山北署によると、のり面が崩れたのは紀の川右岸(北岸)の河口から3・2㌔付近の3カ所。北島橋北詰から南西に150㍍ほどの場所で、崩れの大きさは幅約7㍍が2カ所、約5㍍が1カ所となっており、近くを歩いていた人が通報した。
堤防上の県道和歌山港北島線は17日午後1時45分ごろから通行止めとなり、大型土のうや袋詰めの玉石などを設置する応急作業が行われ、同7時ごろに仮復旧を終え、18日現在は片側1車線通行。
県や和歌山市によると、市内は和歌浦中で1時間の最大雨量が45㍉、18日午前7時までの累積で269㍉に達するなど激しい雨が降った。三田、西和佐、岡崎、安原、西山東、雑賀、雑賀崎、和歌浦、名草、田野の各地区の一部、計2万9584世帯6万3585人に高齢者等避難情報が発令され、11カ所の避難場所に最大で13世帯17人が避難した。
道路は、田中町、松江東、木ノ本、磯ノ浦などで冠水による通行止めなどが発生し、水しぶきを上げながら徐行する自動車が多く見られた。一部では通行規制が続いている。
友田町では、歩いていた90歳の女性が風にあおられて転倒し、腰を強く打って救急搬送された。
直川の千手川沿いの5カ所や六十谷の東ニュータウンでは土砂崩れが確認され、府中では地滑りで倒れた木が民家の屋根に接触したが、けが人や建物への被害は出ていない。市営鳴神団地では18日午前11時40分ごろ、南側のがけが崩れ、市は23世帯37人に避難指示を出した。
JRは、きのくに線と和歌山線で17日の特急7本、普通列車39本が運休となり、約4500人に影響。18日も、きのくに線で特急くろしおが終日運転を取りやめ、和歌山―紀伊田辺間で運転見合わせが続いている。
和歌山電鐵貴志川線は18日の始発から運転を見合わせていたが、午前11時ごろに再開した。