クラスター2件認定 新学期で集団感染警戒

和歌山県は23日、県内で幼児から80代の67人が新型コロナウイルスに感染し、和歌山市内で新たに2件のクラスター(感染者集団)を認定したと発表した。病床数は10増やし、560床となったが、使用率は89・8%で依然として逼迫(ひっぱく)が続いている。

67人の保健所管内別内訳は、和歌山市31人、海南1人、岩出5人、湯浅1人、御坊3人、田辺23人、新宮3人。

76例目のクラスターとなったのは、保険代理業の㈱グリーンライフ(同市島崎町)で、従業員11人のうち5人の感染が確認された。

77例目のクラスターは、向陽病院(同市津秦)で、同じ階の入院患者4人と職員1人が感染した。

2例とも、鼻水や咳などの風邪症状がありながら出勤していた職員がおり、感染が広がったとみられている。県福祉保健部の野㞍孝子技監は、症状がある場合は通勤や通学をせず、早く医療機関を受診するよう改めて呼び掛けた。

発表済みのクラスターでは、同市の別の病院関係の感染者が1人増えて計26人、田辺市のバー関係が8人増の計27人、田辺保健所管内の法要関係が1人増の9人となった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体で過去最多を更新する56・9人。保健所管内別では多い順に、御坊74・8人、田辺69・1人、和歌山市62・7人、岩出44・3人。最も少ない海南でも21人に達している。

県内の感染者は累計4043人、入院中の患者は503人(うち重症者20人)となった。

今週から2学期が始まる公立学校もあることから、野㞍技監は、集団生活の場である学校で感染が発生すると、児童生徒の家庭を含めて爆発的な拡大が危惧されるとし、3密を避けること、飲食時に十分な距離を取ることなど、細心の注意を求めた。

また、症状が出た際に救急受診する人が増えており、一般の救急受診との兼ね合いで現場は大変になっていると述べ、可能な限り診療時間内に受診すること、呼吸が困難な場合はちゅうちょなく保健所に連絡することも呼び掛けた。