鈴鹿ラストラン 和大ソーラーカーPJ

和歌山大学ソーラーカープロジェクトが鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開かれた「ソーラーカーレース鈴鹿2021」に参戦し、オリンピアクラス5位(11チーム中)、5時間耐久レース総合7位(24チーム中)でレースを終えた。

同プロジェクトは2002年に発足し、06年に初めて同大会に出場。マシン製作のために欠場した14年、コロナ禍で大会が中止された昨年を除き、毎年出場してきた。19年からは、大会唯一の国際規格クラス、OLYMPIA(オリンピア)にカテゴリー転換し、今回も同クラスに出場。

レースでは、車体に取り付けた太陽光発電パネルを動力源に、制限時間の5時間以内に1周5・8㌔のコースを何周できるかを競う。「うめ星号」で臨んだ今回の結果は58周で、19年の出場時と同数だが、総合順位は前回の9位よりアップし、過去最高の7位に輝いた。

同大の経済学部3年で、チームの広報を担当する西森凪さん(23)は「チームマネジメント力が高まったことと、電装のエラーを抑えるための取り組みが、これまでのノウハウや技術で実現できたことが過去最高の結果につながった」とレースを振り返り、「ことしは精神的にも余裕を持って臨め、5時間走り抜けられた」と喜びを表した。

同プロジェクトにとって、例年目指す先であった同大会は、技術の進化によって代替(だいたい)エネルギーのトレンドが変化した現代社会で、ソーラーカーレースがこれまで担ってきた役割を果たしたとの理由から、今大会をもって29年の歴史に幕を下ろした。

同プロジェクトが掲げる次の目標は、23年にオーストラリアで開かれる世界大会への出場。ダーウィンからアデレードまで約3000㌔を1週間かけて走るレースに向け、18年から準備を進めている。2年に1度開催される同大会には、ことし出場予定だったが、コロナ禍で中止。23年に延期された4年越しの夢の舞台を目指し、チーム一丸となって新車体の製作などに打ち込んでいる。

西森さんは「鈴鹿レースで得た経験なども絶対に役立つ」と話し、自身が卒業後に迎える世界の大舞台について「自分の手から離れたものにも思いが残っていて、それをつなぐ尊さや誇らしさ、後輩の活躍に期待し、ワクワクする」とすがすがしい心境を語った。

 

「うめ星号」とチームの皆さん(和歌山大学ソーラーカープロジェクト提供)