お城で思い出づくり 時代衣装でプロ撮影
和歌山のシンボル・史跡和歌山城を舞台に、殿様や侍などの衣装に身を包み、思い出写真を撮る、「写真でカナエルみんなの記念日」がスタートした。思い出づくりの場としてもっと気軽に城を楽しんでほしいと、一般社団法人城プロジェクト(川島寛昭代表理事)が企画。川島代表(67)は「和歌山城の可能性をもっと広げたい。みんなでいい思い出をつくってもらえる場になれば」と話している。
衣装は、同市観光協会が所有する10種類から選べ、持ち込みも可能。着付けから撮影まで全てプロのスタッフが担当する。結婚記念の他、同窓会や誕生日など、どんな記念日でも自由に利用できる。
このほど、お城が大好きだという、同市の芝田達也さん(68)、浩子さん(61)夫妻が写真撮影を体験。「かっこいい」と2人で選んだ甲冑(かっちゅう)を着て、城内の御橋廊下や西之丸庭園で撮影を行った。
常に笑顔の芝田さん夫妻だが、共にがんを経験した「がんサバイバー」。昨年、達也さんが腎臓がんを、浩子さんは乳がんの手術を受けた。病気やコロナ禍の1年を経て、「ことしはパッとはじけるぞ」と2人とも還暦を迎えた記念に大好きな地元の城での撮影を決めたという。
「建物がなくても、石垣や土塁があればOK」というほど歴史好きで城好きの2人。城跡を含め全国50カ所以上を訪れた。今回は地元の城ということで、喜びもひとしおだという。
夫妻は、プロのカメラマンの指示で、腕を組んだり、刀を抜いて切り掛かったりとモデルさながらのポージングを披露。抜けるような青空の下、城や西之丸庭園の青もみじをバックに全力で撮影を楽しむ2人の様子を見た観光客からは「私もやりたいな」といった声が聞こえてきた。
撮影を終えた2人は汗だくで「楽しかった」と満面の笑み。出会って約40年、泣き、笑い、2人で年を重ねてきた日々を思いながらの撮影に、浩子さんは「感慨深い。地元の城、しかも時代衣装を着て笑顔の夫婦写真が撮れたのは一生ものの記念」と感激。達也さんは「写真は来年の年賀状にしようかな」と満足げだった。
費用や利用日などは要相談。問い合わせは、お天守茶屋(℡090・7356・3116)。