サイバー犯罪の啓発動画 近大が県警と製作
近畿大学生物理工学部は、和歌山県警生活安全部サイバー犯罪対策課の協力を受け、SNSやインターネット上のトラブルや犯罪についての講習動画を製作した。31日まで同学部の学生・大学院生2000人を対象にオンライン配信しており、加害者にも被害者にもならないよう、意識の高揚と啓発を図っている。
同学部と同課によると、サイバー空間は多くの人にとって日常生活、社会生活の重要な場となり、インターネットの利便性を享受している一方で、若者がSNSアカウントの乗っ取りやネットを使った誹謗(ひぼう)中傷などのサイバー犯罪の被害に遭い、自覚のないままサイバー犯罪に加担している事例も後を絶たないという。
同学部では2019年から、県警本部の講師を招いてサイバー犯罪講習会を開催。ことしは新型コロナウイルスの影響でリアルの講習会が難しいこともあり、若者の間で増加傾向にあるSNSでの悪ふざけやトラブル、ネット犯罪の防止について、被害者、加害者のどちらにもならないように対処法を学ぶ動画を製作することにした。
テーマは「サイバー犯罪の現状~ネット犯罪等の防止について 被害者にも加害者にもならないために」。動画は37分あり、同課の警部補が解説している。
内容は、SNSの公開設定に注意し、個人情報や交友関係、立ち寄り場所などの発信には気を付けること、写真を掲載する場合は位置情報が付いていないものにすることなど、具体的な例を挙げて説明している。
また、ファイル共有ソフトによる違法アップロードやダウンロード、インターネット詐欺、フィッシング行為などの犯罪、トラブルについても学べる。
学生には動画視聴後にアンケートに回答してもらい、理解の浸透を図る。同学部の担当者は「動画を通じて、学生にはサイバー犯罪やSNSの利用について考えるきっかけにしてもらいたい」と話している。