特養でクラスター 14人ブレイクスルー感染

和歌山県は24日、県内で幼児から90代の26人が新型コロナウイルスに感染したと発表。高野町高野山の特別養護老人ホーム「南山苑」の利用者と職員の感染者が計14人となり、89例目のクラスター(感染者集団)に認定した。

26人の保健所管内別内訳は、和歌山市2人、岩出3人、橋本13人、御坊6人、田辺1人、県外1人。

南山苑のクラスターは、ショートステイを利用した80代男性が20日に発症し、22日に陽性となったことを受け、施設関係者を検査したところ、ショートステイ利用者4人、入所者8人、職員2人の陽性が判明した。

男性はショートステイの前に別の施設のデイサービスを利用し、同施設に感染者がいたことが分かっており、県はこの施設が感染ルートとみている。

感染した14人は全員ワクチンを2回接種済みの「ブレイクスルー感染」に当たる。県福祉保健部の野㞍孝子技監は、高齢者にはワクチン接種による免疫反応が不十分な場合があることや、ブレイクスルー感染は症状が軽い可能性があり、わずかな症状でも注意が必要であることを指摘。「ワクチンは効果はあるが、過信はしないでほしい」と述べ、感染防止対策の徹底を改めて呼び掛けた。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は県全体で7・7人。県内の感染者は累計5202人、入院患者は84人(うち重症8人)で、病床使用率は14・3%となった。

「ワクチンを過信しないで」と野㞍技監

「ワクチンを過信しないで」と野㞍技監