断水解消早まるか 応急復旧の工事順調
和歌山市紀の川北部地域の断水問題で、六十谷橋に仮設の水道管を設置する応急復旧工事は順調に進み、8日午前には水道管の接続が約9割まで終了し、同日深夜から9日早朝ごろを見込んでいた断水の解消は早まる可能性が高まった。
3日午後3時45分ごろに六十谷水管橋の一部崩落によって始まった、市の紀の川以北全域、約6万世帯(約13万8000人)の広域に及ぶライフラインの危機は、発生から5日で収束への重要な局面を迎えた。
同橋の東約40㍍の六十谷橋に、バイパス(迂回路)となる仮設水道管を設置する工事が始まったのは6日午前10時すぎ。予定の工期を半日ほど残した8日午前10時半ごろには、六十谷橋の車道上に内径70㌢、外径74㌢の巨大な水道管が一直線に走っていた。
水道管はダクタイル鋳鉄製、1本の長さが6㍍、重さ約1・5㌧。車道上に等間隔で並べた鉄骨の上に木材を置き、さらにその上に水道管を設置。約110本を使い、河川敷に建つ水管橋の橋脚付近から約630㍍にわたってバイパスをつないでいった。
ボルトでの固定の他、カーブの箇所などは切断、溶接なども伴い、作業に当たった市管工事業協同組合は、加盟事業者の作業員が一日当たり約100人、24時間態勢で、ライフライン復旧へ懸命の工事を進めた。
8日午前10時40分ごろ、工事現場で報道陣の取材に応じた市企業局維持管理課の木下公平課長は、六十谷橋上の水道管の直線部分は接続が完了し、残るは両岸の河川敷部分と説明。工事完了が早まる見通しとなったことについて「施工業者の皆さんが24時間態勢で頑張ってくださったおかげ」と感謝した。
工事終了後、点検をした上で送水が開始されるが、4カ所の配水池に貯水した後に自然流下によって各世帯に給水するため、断水の解消は地域によって時間差があることに理解を呼び掛けた。