蛇口から水出たよ 水道復旧に園児ら歓声

和歌山市北部で発生した断水が9日朝に解消されたことを受け、断水地域の住民からは喜びの声が上がった。休園をしていた同市中の和歌山認定こども園(林正樹園長)は同日、保育業務を再開し、久しぶりに園児たちの元気な声が園舎に響いた。

同園は、0歳から5歳児クラスの園児113人が通う認定こども園。貯水槽施設がなく、断水で新型コロナウイルス対策としての手洗いやトイレの対応など安全に通常の保育を行うのが難しいと判断。4日から8日までの5日間休園した。

給水が開始されたこの日、午前8時半から同園職員が敷地内の外部水栓2カ所を開放。約2時間ほどで茶色く濁った水が透明になったのを確認し、園児らが外部水栓で手洗いをした。久しぶりに蛇口から出る水で園児らは早速手をごしごし。うれしさの余り2回手を洗う子もいた。

自宅も断水していた松野天醒(てんせい・6)さんは蛇口から出た水に「冷たかった!」と笑顔。「お風呂が出なくて大変やった」と話した。

林園長(60)は「水が出てホッとしている。保護者の方が一番大変だったと思う」と安堵(あんど)し、月曜日からの通常保育については「水の濁りがなくなっても、また出るという話もあるので、しばらくは給食を休止しようと考えている」と話していた。

水のありがたさを感じながら一生懸命に手を洗う園児ら

水のありがたさを感じながら一生懸命に手を洗う園児ら