コロナでいじめ認知減少 20年度学校調査

和歌山県内の公立学校で2020年度に認知されたいじめは前年度より1183件少ない5205件、いじめの解消率は前年度と同じ全国4位の91・6%で、全国平均77・4%を大きく上回ったことが、13日に文部科学省が発表した調査結果で分かった。県教育委員会は、新型コロナウイルスの影響で児童生徒同士が関わり合う機会が減り、物理的な距離も広がったことが、結果的に認知件数の減少につながったとみている。

県内のいじめの件数は公立小学校で4755件(前年度比968件減)、公立中学校で353件(同152件減)、公立高校で76件(同58件減)、特別支援学校で21件(同5件減)。児童生徒1000人当たりの認知件数は国立・私立を含めて54・2件(全国平均39・7件)で、前年度より10・9件減った。

いじめの主な内容は、冷やかし、からかい、悪口などが全ての校種で見られ、小学校では軽くぶつかる、遊ぶふりをしてたたく、中学校ではパソコンや携帯電話での誹謗(ひぼう)・中傷、高校では仲間はずれや集団による無視、特別支援学校では嫌なことや恥ずかしいことをさせられるなどの内容もあった。

不登校の児童生徒数は、公立小で367人(前年度比73人増)、公立中で849人(同37人増)、公立高で421人(同23人増)。いずれの年代でも主な要因として「無気力、不安」などがみられる。

県教委は、いじめアンケートを公立学校では100%実施し、欠席しがちな児童生徒の情報をシートに集約するなど、児童生徒のきめ細かい実態把握に努め、いじめや不登校の早期発見、対応に努めている。

また、スクールカウンセラーの配置を324校に拡充し、スクールソーシャルワーカーは、独自配置している和歌山市を除く29市町村、高校15校に配置している。

公立高の中途退学者は283人(同79人減)、国立・私立を含めた中退率は1・3%で、全国39位となっている。

暴力行為の件数は、公立小で65件(同32件減)、公立中で142件(同44件減)、公立高で50件(同2件減)といずれも減少。コロナ禍に伴う児童生徒同士の関わる機会の減少、物理的な距離の広がりが、この結果にも影響しているとみられる。