2人一組で新たな創造 和歌山文協総合美術展
生け花と美術作品がコラボレーションする和歌山文化協会(森本光子会長)の「総合美術展」が30日、和歌山市七番丁の和歌山城ホールで始まった。11月3日まで。
華道部と各分野の部員が2人一組となり、一つの世界観を表現する全国でも珍しい展覧会。生け花と日本画や書、写真、短歌などが融合した59点の作品を堪能できる。
鶴や亀、「壽」と書いた帆船をモチーフにした、おめでたい尽くしの森本会長の紅型染(びんがたぞめ)作品には、友岡敦甫さんが鮮やかなストレチア(極楽鳥花)を合わせて明るい雰囲気。仁坂吉伸知事の書「誕」に、セッカヤナギを生けた宮下裕甫さんは「ヤナギはおめでたい植物。繊細で優しい動きを意識した」と笑顔。
井谷雅三さんの善行を詠んだ短歌に島本素里さんが菊を生け、金・銀の水引で動きをつけた作品「佳日」(めでたい日)など、それぞれ趣向を凝らした力作が並ぶ。
不動明王を描いた美術工芸部の中村治部長は「それぞれの分野を生かした展覧会。きっと新しい創造が生まれてくると思う。ぜひいろいろな文化にふれていただきたい」と話している。
午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。
今回初の試みとして同協会部員が展示室内のステージで、能舞や詩舞、生け花の実演などを披露する。テーマは「『静』と『動』の共演」。
各ステージは、31日は書道教室小・中学生実演(午前10時半~正午)、能舞と書道の共演(午後1時~3時)、11月1日は詩舞(午後1時~1時半)、能舞と生け花の共演(午後1時半~3時)。11月2日は、華道部による生け花体験ワークショップ(午前10時~午後3時)、茶道部による呈茶席のおもてなし(4階和室・午前10時~午後2時)が開かれる。