チョークアート看板 和工生が商店街に贈る

和歌山市和歌浦中の「明光商店街」の活性化につなげようと、県立和歌山工業高校(同市西浜)デザイン科2年の生徒たちは2日、制作したチョークアート看板を同商店街に贈った。

同商店街は、20~30年前までは、人通りも多く自転車で走行するのが困難なほど、にぎわう場所だったが、近年は後継者や利用する人も減り、約30店舗あった店も半数ほどになったという。

この日同商店街で行われた贈呈式では、制作した生徒8人から四つの店舗と同商店街組合に看板が贈られた。

看板は全部で5枚、全てA2サイズ(420㍉×594㍉)。同科では本年度から色鮮やかなオイルパステルでイラストやレタリング文字を描くチョークアートを取り入れており、今回地元の商店街の活性化につながればと、各店舗から直接希望を聞き取り、デザイン。約2カ月かけてオリジナルの看板を仕上げた。

鮮魚店を営んで50年以上になる道脇重治さん(74)は、タコやタツノオトシゴ、トビウオの絵をリクエスト。完成した看板を見て「タコが獲物を狙う目をしている。生きているみたい。感動」と大喜び。「店の前が通学路。目立つところに設置し、子どもたちにも見せたい」と笑顔だった。

この看板を制作した鈴木悠斗さん(16)と松下喬洋さん(17)は何度も手直ししたと言い「リアルになるよう、写真などを見ながら特徴を調べて描いた。喜んでもらえてうれしい」とにっこり。

この他、洋菓子店の看板は、カスタードクリームがたっぷり詰まったボリューム感、焼き鳥店は、火の躍動感、弁当販売店には、ふっくらした質感を意識して描いたといい、それぞれ高校生の感性と各店舗の思いが凝縮された看板が、訪れた人を出迎える。

同商店街組合の松木由紀夫理事(70)は「すごくすてきな作品。盛り上げようという高校生の思いに、われわれも頑張らねば」と話している。

制作した看板を手にする各店舗代表者と生徒たち

制作した看板を手にする各店舗代表者と生徒たち