eスポーツの体験会 慶風高がクラブ設立へ
学校法人田原学園慶風高校(和歌山県の紀美野町、田原サヨ子校長)は和歌山市秋月の和歌山支援センターで6日、初の試みとなる「eスポーツ体験会」を開催。昨年10月に設立した和歌山eスポーツ連合(同市楠本)の協力のもと、参加した4人の中学生が実際にコントローラーを握り、2組に分かれて1対1でeスポーツの対戦を楽しんだ。
eスポーツは、「エレクトロニック・スポーツ」の略称。コンピューターゲームの開発企業がトーナメントなどのイベントを積極的に企画するようになり、世界規模の大会も増えたことで、近年コンピューターゲームをスポーツ競技と捉えるeスポーツの注目度が高まっている。
同校では、話題のeスポーツをクラブ活動として取り入れるため、昨年設立した同連合への加盟手続きを進めており、来年4月からはeスポーツのクラブ活動を始める予定。同校の職員、南垣内淳さん(50)は、「現在あるeスポーツの同好会を本格的なクラブ活動にすることで、大会などにも積極的に参加していきたい」と話し、「一つの娯楽だったゲームをスポーツとして、新たな自分の可能性を広げてもらいたい」と願う。
中学生を対象にした体験会では、同連合の代表理事、村澤正隆さん(31)が講師となり、ジャンプやロケット飛行ができる特殊な車を操作してサッカーをする架空のスポーツ「ロケットリーグ」を実践。「楽しい」という声を上げながら対戦する参加者らを見て村澤さんは、「きょう初めてとは思えないほどみんなうまい。それぞれのセンスが出ていて、性格の違いでどういった操作をしているのかなど、見ていて楽しい」と笑顔。
同連合は9月、県で初となる「和歌山企業eスポーツ対抗戦」をオンラインで主催するなど、県内のeスポーツ普及に努めている。村澤さんは、「一番はゲームの楽しさを伝えたい」とした上で、「eスポーツと一口に言っても、道は一つではない。ゲームを作るのが好きになるかもしれない」などと可能性の広さを参加者やその保護者らに伝えた。
参加した海南市の吉田翔太さん(15)は、「実際にeスポーツを体験できて楽しかった。クラブに入りたいし、将来はプロになりたい」と夢を膨らませていた。