自分の身を守る 県立武道館が体験型防犯教室

さまざまな危険や誘惑に対応できる判断力と行動力を子どもに身に付けてもらおうと、和歌山県スポーツ振興財団県立武道館(和歌山市和歌浦西、宮本和幸館長)は18日、和歌山西署と市立和歌浦小学校(松尾友絵校長)と連携した防犯教室を開催。同署生活安全課の上野紗代警部補が講師となり、1、2年生の児童らに、不審者とはどんな人なのかを考えてもらうとともに、万一遭遇してしまった時の対応など、実践練習を交えながら伝えた。

第1部では、1年生の児童ら約20人が参加。不審者に扮(ふん)した警察官が全身黒ずくめでサングラスを掛けて登場すると、児童らは「怖い」「不審者や」などと声を上げた。一方、普通の服装であってもしつこく声を掛けてきたり、じっとこちらを見てきたりなど、一見すると〝良い人〟であっても、不審者かもしれないことなどを教えた。

上野警部補によると、犯罪者にとって20㍍圏内は自分の縄張り意識があるといい、20㍍先を見て歩くことの大切さを学び、万一不審者に遭遇した時に20㍍先まで走る練習を実践。ランドセルを背負いながら走る大変さを実感したり、とっさにランドセルを脱ぎ捨てて走ったりと体験練習を重ねた。

背後から不審者につかまれた際、肘を張り、しゃがんで走るといった3ステップの「ロケットダッシュ」も練習。上野警部補は、「しっかり前を向いて歩き、すれ違う時にも相手との距離を気にして歩いてほしい。万一つかまれたらロケットダッシュで逃げてください」と児童らに呼び掛け、児童の一人は、「不審者に出会ったら怖いと思うけど、練習したロケットダッシュをして逃げたい」と話した。

同館の森祥悟さんは、「子どもたちが積極的に練習してくれたので、やって良かった」と初めての試みを振り返り、「これを機に武道館を知って、何かあったらここに駆け込んでもらえれば」と話していた。

不審者から逃げる練習をする児童ら

不審者から逃げる練習をする児童ら