歴史を未来へつなぐ 砂山小が創立100周年
11月1日に創立100周年を迎えた和歌山市立砂山小学校で同30日、100周年を祝う記念式典が行われ、全校児童約280人をはじめ、保護者や学校関係者ら約350人が出席した。同校の卒業生である㈱島精機製作所(同市坂田)の島正博会長や、元プロ野球選手で、来季は福岡ソフトバンクホークスの2軍監督を務める小久保裕紀さんも駆け付け、記念すべき節目を盛大に祝った。
同校は1921年、湊村東部尋常小学校に属す一部が同市に合併編入することを機に、創立。45年には大空襲を受けたが焼失は免れた。空襲により児童数は急減したが、58年には2000人を超え、41学級にまで増えた。その後、南校舎の竣工や今福小学校への分離などを経て、現在約280人、14学級となっている。
式典の冒頭、同校の小杉栄樹(しげき)校長が「時代時代の人に支えられ、素晴らしい歴史と伝統を築いてきた。全ての人の思いを胸に、力と心を合わせて新しい歴史をつくっていきたい」とあいさつ。
48年度卒業生の島会長は、在校中に経験した戦争について、「終戦後に焼け野原となった様子を見ながら、『何か作らなあかんな』と思った」と振り返り、「これからの日本、世界を背負っていく子どもたちには、AIを活用しながら、新しい時代に手と頭を使い、心を動かしながら何かを作り出していってほしい」と伝えた。
83年度卒業の小久保さんは、現役引退時に出版した著書『一瞬に生きる』をテーマに記念講演を行った。
「夢や目標がある人は、今自分が何をするべきかを考えて毎日15分続けてみよう」と呼び掛け、「夢や目標がない人は、今目の前にあることに全力で取り組む癖をつけてください」とアドバイス。児童から感謝の意を込めた手紙や花束が贈られた。
6年生による記念合奏・合唱の披露の後、児童を代表し6年生の武田桃花さんが、「砂山小学校の歴史を未来へとつなげていきたい」とあいさつ。盛大に行われた記念式典は、全校児童による「ありがとうの花」の合唱で華やかに締めくくられた。