コロナ終息願う寅守 和歌浦天満宮が手作り

新年の天下泰平と新型コロナウイルス感染症終息を願い、和歌浦天満宮(和歌山市和歌浦西、小板政男宮司)は、来年のえとにちなんだ張子の大きな「寅守(とらまもり)」を制作し、寅の日の8日、魂を入れる「御魂入式(みたまいれしき)」を行った。

寅守は長さ60㌢、高さ30㌢、幅20㌢の1対2体で、小板政規禰宜(49)が8月から約3カ月半をかけて仕上げた。

新型コロナ関連など「あまり良くないニュース」を掲載した古新聞を使用。口を開いた「阿(あ)」の寅守の中には悪いものを払う「大祓詞(おおはらえことば)」を、口を閉じた「吽(うん)」の寅守の中には天下泰平の祈願文を貼った。

寅守については、疫病が流行した1822年の大阪で、薬種商がトラの頭蓋骨を砕いて作った丸薬と寅の張子を配り、効果があったとの言い伝えがある。

今回の巨大寅守にも、小板禰宜が「早く新型コロナが終息してほしい」との願いを込め、「参拝者の癒やしになれば」と、やわらかな表情、全体に丸みを帯びたフォルムにした。

巨大寅守は、年末に同宮の楼門(重要文化財)下の左右に設置し、参拝者を迎える。また、正月の参拝者に授与する寅のお守り(2種類、各300体)も用意されている。

完成した巨大寅守と小板禰宜

完成した巨大寅守と小板禰宜