春までお休み ベニー園長が一足早く仕事納め
和歌山市の和歌山公園動物園で10日、ツキノワグマのベニー園長(雌、推定28歳)が昨年よりも1週間ほど早く仕事納めをして、冬眠の準備に入った。
ことしの寝床は、おがくずをベースに干し草を乗せたもので、飼育員らが愛情を込めて整えた。この日、ベニー園長は寝室の扉が開くと、まずは蒸したサツマイモと水でふやかしたクマ用のペレットで腹ごしらえし、寝床へゆっくりと移動。干し草をかくようにしながら寝床を整えていた。
飼育員の中原亜由さん(31)は、「ことしも1年間、園長として頑張ってくれて、ありがとうとお疲れさまと伝えたい」とねぎらい、「暖かいお部屋でゆっくりと体を休ませて、ご飯もしっかりと食べて栄養をつけて、桜が咲く頃に元気な姿を見せてくれることを心待ちにしています」と話した。
ベニー園長は冬眠期間中も飼育員が様子を見ながら2日に1回程度、普段より少ない量のサツマイモとペレットを食べて春を待つといい、仕事始めは3月下旬を予定している。気候などを考慮しながら、3月中旬に寝室の扉を開け、ベニー園長のタイミングで外へ出られるよう、1週間ほど自主行動期間を設けた後に、通常展示に戻すという。
クマ舎の前には、「冬眠中」の看板が掛けられ、次にベニー園長の姿が見られるのは春になる。同園は年末年始も通常営業(火曜休園)とし、中原さんは「他の動物も楽しんで見てほしい」と来園を呼び掛けている。