紀三井寺にめでたい絵馬 向陽高美術部が奉納
和歌山市太田の県立向陽高校の美術部員らが23日、来年の干支(えと)「寅(とら)」を描いた大絵馬を紀三井寺(同市紀三井寺)に奉納した。
同寺は昨年から市内の高校生に大絵馬の制作を依頼。ことしは同校美術部の有志が10月からデザインを考え、12月上旬に完成した。
奉納した大絵馬は、縦約95㌢、横約130㌢。同寺からの「子どもたちが喜ぶようにかわいらしく」の希望に添うよう、中央には紀州手まりにじゃれ付く愛嬌(あいきょう)あるトラを描いた。紀州手まりの色は、同寺が桜の名所であることにちなみ、桜色に。トラの周りには、富士山やナスビ、松竹梅などめでたいもの尽くしの縁起物を描いた。左下の「2022」の数字は紅白で、右下には焼きゴテで「寅」の文字を書き添えた。
同日、大絵馬制作の中心を担った中西麻友副部長(2年)、湯川柚那さん(同)、北山紗衣さん(1年)、西山黎さん(同)の4人が同寺を訪問。本堂で奉納式が行われた。
大絵馬の奉納を受けた同寺の前田泰道貫主は「素晴らしい作品で感動した。一富士、二〝虎〟、三茄子(ナスビ)だね」と笑顔。
ナスビを描いた西山さんは「はしゃいで楽しそうな感じを出すため、ナスビに手足を付けた。子どもたちが喜んでくれるといいな」と願い、大絵馬全体のデザインを担当した中西副部長は「長い期間飾られ、たくさんの人に見てもらえるのがうれしい」と話していた。
奉納した大絵馬は、同寺本堂横の絵馬堂入り口に掲げられ、1年間訪れた人を出迎える。