ニタマ駅長が社長代理に昇進 和歌山電鐵

寅(とら)年〝猫科YEAR〟がスタートして間もない5日、和歌山電鐵㈱(和歌山市伊太祈曽)は、貴志川線貴志駅(紀の川市貴志川町神戸)で執行役員の駅長を務めるネコの「ニタマ」を社長代理に任命した。昇進したニタマは、同社で小嶋光信社長に次ぐナンバー2となり、異例のスピード出世を遂げた。小嶋社長から辞令を受けたニタマは、大勢のファンを前に「ニャーニャー」と武者震いし、寅年にさらなる飛躍を誓った。

ニタマは岡山県岡山市出身。保護ネコとして同社の〝ネコ駅長訓練所〟に入所し、自ら仕事をする、爪をたてない、帽子をかぶるのを嫌がらないといった三つの厳しい審査に合格し、晴れて2012年1月5日、伊太祈曽駅の駅長兼貴志駅の駅長代行に就任した。

この日就任10周年を迎えたニタマは、15年には「ウルトラ駅長たま」の後継として「たまⅡ世駅長」を襲名し、「貴志駅駅長」に就任。昨年8月には「和歌山県勲功爵(わかやまでナイト)」の称号を受勲している。

同日、貴志駅ではコロナ禍で1年ぶりとなる「たま駅長就任記念催事」も開催。よんたま駅長も出席し、たま駅長就任15周年とニタマ駅長就任10周年記念をダブルで華やかにお祝いした。

式典では、小嶋社長がニタマに対し、「たま駅長の跡を立派に継ぎ、コロナ禍にも負けず必死に客招きに努め、冷え込んだ県の観光に光を当てるなどの活躍で県の勲功爵にも任命された」とこれまでの功績をたたえながら辞令を交付。「社長代理になって頑張るにゃ」とニタマの決意も代弁した。

式典後は、同駅ホーム内にあるたま神社に移動し、小嶋社長とニタマが「たま大明神」に昇進を報告。小嶋社長は「たま大明神はきっと『叱咤(しった)激励したかいがあった。私の跡をしっかり継いでくれそうだにゃ』と穏やかに見守ってくれているはず」と話し、「今後も皆さんの足として元気に頑張っていきたい」と新年の決意を述べた。

8年ほど前からニタマ駅長の活躍を見守ってきたという大阪市の女性は、「昇格はサプライズだった」と驚き、「元気で健康にいてくれれば」とにこやかに期待を込めた。

 

社長代理に昇進したニタマ