健康維持にも効果「仏手柑」
前号より、新春を彩る縁起物として生け花に添えられる、ユニークな柑橘(かんきつ)「仏手柑(ぶっしゅかん)」を取り上げている。
観賞用としての用途が一般的であるが、実際に食することもできる。仏様の手を思わせることがその名の由来である仏手柑。海外でも和名と似た意味合いである、「fingered citron」や「Buddha's hand」という名で呼ばれている。その栄養分にも、有り難いご利益があるという。今週は仏手柑の効能を紹介したい。
仏手柑には「ヘスペリジン」という成分が含まれ、毛細血管を強くしたり、血流の流れを良くする効果があるとされ、かつてから漢方薬として用いられてきた。ビタミンCとの相乗効果もあり、毛細血管から感染するウイルスから守る働きがあるとされる。
また、精油成分が多く含まれることから香りが良く、気持ちをリラックスさせる他、胃腸の働きを整えたり、冷え性の改善や痰(たん)の切れを良くする効果もあるとされる。
漢方薬として使用される際は、仏手柑を乾燥させたものをお茶として飲み、ショウガなどとブレンドされることもあるという。柑橘を乾燥させお茶としていただくという、これもまた仏手柑ならではの特徴である。
お茶としての活用の他、マーマレードや砂糖漬けにしたコンフィチュールとして食することもできるが、柑橘として果実の味わいはどうか。仏手柑を切って中身を見てみることに。そこには驚きの事実があった。
(次田尚弘/和歌山市)