集団の会食控えて 感染急拡大で県が「お願い」

新型コロナウイルスの感染が和歌山県内でも急拡大し、会食を伴うクラスター(感染者集団)の発生が相次いでいることを受け、仁坂吉伸知事は14日、「大人数・集団での会食は控える」ことなどをポイントとする県民への「お願い」の変更を発表した。

仁坂知事は、第6波の感染の主流であるオミクロン株について、「大変うつりやすい。感染した人が1人会食にいれば、一緒に参加したかなりの人にうつってしまう」と述べ、感染が急拡大している現状では、会食を避けるべきと説明。飲食やカラオケについては、過去にクラスターとなった事例などから、十分に換気を行うことが重要と指摘した。

スポーツ関連のクラスターも相次いでいることから、学校の部活動は、県が部活動の種類ごとに示しているガイドラインに沿った感染予防対策を徹底した上で行うよう求めた。

少しでも症状がある場合は、無症状者向けの無料検査ではなく、直ちに医療機関を受診することも改めて呼び掛けた。

今後のさらなる感染拡大に備えた取り組みでは、現在151室を確保している宿泊療養施設を同じ程度増やす準備を進めている。

県は全国で唯一、感染者全員の入院体制を堅持し、宿泊療養施設もこれまでは退院した人や濃厚接触者などの利用に充てているが、入院と宿泊療養で対応しきれず、自宅療養が必要になる場合も想定される。その際も患者をケアする体制を確保するため、県医師会と17日に協定を締結することにしている。

無症状または軽症で、県が自宅療養可能とした患者に対し、医師会は県の要請に応じて、医療の提供や健康状態の見守りなどで協力する。

仁坂知事は「患者のケアのためには入院がベストだが、備えは何重にもつくっておかないといけない」と狙いを話した上で、感染者数を減らすことが最も重要だとし、「お願い」への県民の協力を呼び掛けた。

フリップで県民への「お願い」を説明する仁坂知事

フリップで県民への「お願い」を説明する仁坂知事