浜辺のトルソー 松原時夫さんが写真展
和歌山市和歌浦の写真家、松原時夫さん(82)の個展「浜辺のトルソー」が2月1日まで、同市吹上の小松原アートスペースで開かれている。
松原さんは6年前から毎日近くの片男波海岸へ出掛け、砂浜をキャンバスに見立て、波や風が生み出した砂浜の造形をフィルムで撮影。会場には、浜辺に描かれた美しい造形やコンクリートに残る雨や海水の模様、流木を写したモノクロ作品22点が並ぶ。
個展のタイトルは、胴体を意味するイタリア語の「トルソー」にちなんだもの。濃淡のグラデーションや流線が人体のシルエットのようにも見え、繊細な表現に、訪れた人は想像力を膨らませながら「不思議ですね」と見入っている。
松原さんは「人の手が加わったものでなく自然がつくった形。自分にしか見えない形や像が面白くて」と笑顔。「自然というのは人が考える以上に造形性がある。それが見えるか、見る能力があるかどうか。これからも『和歌浦から何が見えるか』をテーマに、命ある限り和歌浦を撮り続けたいですね」と話している。
午後1時~6時(最終日は5時)。問い合わせは同ギャラリー(℡090・4560・9028)。