アイデア光る作品入賞 工業高生照明コンク

和歌山県内の工業系高校生が照明器具のアイデアなどを競う「第47回照明コンクール」(県高校教育研究会工業部会主催)の審査会が1月27日、和歌山市西浜の県立和歌山工業高校(松本泰幸校長)で行われ、金・銀・銅賞と佳作、特別賞の各企業賞が選ばれた。

同校をはじめ、紀北工業高校、箕島高校、紀央館高校、田辺工業高校の県立5校が参加。「アイデア・デザインの部」と「製作の部」の2部門があり、それぞれ718点、59点の応募作品の中から、学内選考を通過した105作品が審査を受けた。

審査は、デザインや商品設計を手掛ける㈱朝陽、パナソニック㈱近畿電材営業部和歌山電材営業所、海南市の屋外照明メーカーの㈱タカショーの3企業の担当者や教員ら17人が担当。「アイデア・デザインの部」には、四季に合わせて変化する街灯や、光る花瓶など、照明で華やかさをプラスする作品が多く集まった。金賞で1位に選ばれたのは、田辺工業高校電気電子科の森本秀優斗さん(2年)が考えた「蛇口発電」。蛇口の中にプロペラを入れ、流れる水の力で発電するアイデアだった。

「製作の部」では、生徒が製作に込めた思いをプレゼンテーションする約1分間のビデオも参考にしながら、審査が進められた。会場には、音に反応する照明器具や、和歌山市民図書館からヒントを得たという照明を組み込んだ本棚など、さまざまなアイデアで細部にまで工夫を凝らした作品が並んだ。

「製作の部」で1位の金賞とともにタカショー賞にも選ばれた田辺工業高校機械科の城凜太郎さん、瀨戸崇史さん(3年)の作品は、停電時にも料理ができる「電子まな板」。UVライトによる殺菌効果や上部を取り外して洗えるなど、さまざまな工夫を凝らした発想と、分かりやすいプレゼンテーションも高く評価されて見事W受賞を果たした。

3企業の担当者らは「参考にしたい良い作品が集まっていた」と講評。同部会の廣瀬哲也事務局長は、「自然エネルギーを電源にした風力発電の照明など、いろんなアイデアが面白かった」と話し、「就職した後も柔軟にいろんなアイデアを出していってもらえれば」と願っていた。

その他の金賞、特別賞受賞者は次の皆さん。

【アイデア・デザインの部】〈金賞〉池田楓(和歌山工産業デザイン科2年)▽三村栞央(紀北工システム化学科2年)▽川辺晴(和歌山工産業デザイン科1年)▽上野山浩子(同2年)▽柳下咲生(紀北工システム化学科2年)▽尾﨑琉士(田辺工機械科3年)〈タカショー賞〉上野山浩子(和歌山工産業デザイン科2年)▽田中遥斗(田辺工機械科2年)〈朝陽賞〉中尾星哉也(和歌山工建築科3年)▽原田莉帆(同産業デザイン科1年)〈パナソニック賞〉藤澤希(紀北工電気科3年)▽谷口孔一(田辺工機械科2年)

【製作の部】〈朝陽賞〉中口陸(和歌山工建築科2年)〈パナソニック賞〉上西輝(同3年)

アイデアや工夫が詰まった作品をじっくりと見る担当者たち

アイデアや工夫が詰まった作品をじっくりと見る担当者たち