企業誘致や共用も エネオス閉鎖後の活用検討
原油元売り最大手のENEOS(エネオス)㈱は、2023年10月をめどに閉鎖されることになった、和歌山製油所(有田市)の今後の在り方に関する検討会を2月25日にオンラインで開いた。
行政や関係会社の約100人が視聴し、同社の佐藤由理総務部長や有田市の望月良男市長、海南市の神出政巳市長らが出席した。
同製油所は約80年にわたって石油製品を生産。同社は人口減少による需要の減少、脱炭素化によるエネルギーの転換などで生産供給体制の見直しのため、精製や物流機能を停止すると1月25日に発表した。
検討会は冒頭のみが報道陣に公開され、佐藤総務部長は停止後の活用について「社内においてアイデアと検討作業について進めている。これまでに、バイオマス発電などの電力事業や摘果ミカンを使ったバイオエタノール製造などのアイデアがある」などと話した。
今後、社内関係部門で事業性の検証や検討を行い、実証の場として同施設を活用していくという。また、250万平方㍍もの広大な敷地の活用を、自社以外の誘致や共用を検討している。
望月市長は「同市はエネオスと共に発展を遂げたまちである。閉鎖の発表を受け市民は不安でどうしたらいいか分からないという状況。未来に向け、この会がいい結果に結び付くことを願う」と話し、神出市長は「検討の場で具体的な提案をしてもらいわれわれも協議に加わりたい。今後の在り方の具現化を望む」と述べた。