高齢夫婦を救助 紀の川市の2人に感謝状
雪が降り、道の凍結によって車で立ち往生した高齢夫婦の救助活動に貢献したとして、岩出署は3日、紀の川市で畜産業を営む西口寿一さん(37)と、訓練士(紀泉警察犬訓練所所長)の藤谷文明さん(73)に感謝状を贈った。
同署によると、2月16日午後4時55分ごろ、消防から同署に「山中で迷っているとの通報があり、こちらから確認のために電話をするもつながらない」などと連絡が入った。同署は夫婦が伝えた電柱番号から、現場を同市切畑の山中と推測。捜索にあたる警察官を派遣するとともに、降雪情報を参考に、日没を迎える時間帯であったことから5時30分ごろ、現場近くに住む西口さんと藤谷さんに周辺に立ち往生した車がないかの確認を依頼した。
2人は地域に電柱のある場所が限られており、思い当たる場所があったため、西口さんの車に乗り合わせて捜索を開始。約10分後、山中で立ち往生している車を発見し、80代男性と70代女性の夫婦をけがもなく無事に保護した。
夫婦はこの日、和歌山市から大阪方面に向かって山を抜けようとしていたといい、当時は雪が降って路面が凍結。夫婦はパニックに陥り車のエンジンをかけられずに寒さで震えていたが、携帯電話がバッテリー切れで連絡が取れず、そのまま時間が経過していれば危険な状況にあったという。
同署の植松勝己署長は「早めに見つかってありがたい」と感謝の言葉とともに2人に感謝状を手渡した。藤谷さんは「早く発見できて本当に良かった」と安堵(あんど)の表情を見せ、西口さんも車を見つけた際を振り返り、「女性が手を振って喜ぶ姿を見て、見つけにきて良かったと思った」と話した。
一方、西口さんは「『山をなめてかかるな』という言葉があるように、意識の低さが招いたことだと思うので、無理だと思ったら引き返してほしい」とし、同署地域課の南出徳仁課長も「行き先の気象情報などを見て、安易に考えず、余裕のある装備や計画をしてもらいたい」と呼び掛けている。