商店街にチョークアート看板 和工生が寄贈

和歌山市和歌浦中の「明光商店街」を盛り上げようと、県立和歌山工業高校(同市西浜)産業デザイン科2年生は8日、制作した色鮮やかなチョークアートの看板を同商店街に贈った。同校の生徒による寄贈は2度目。見る人の心を明るくさせるような鮮やかな看板が商店街を彩っている。

看板は全部で4枚、全てA2サイズ(420㍉×594㍉)。同科では本年度から色鮮やかなオイルパステルで絵や文字などを描くチョークアートの授業を開始。選択した生徒8人が地元商店街の活性化につながればと、5枚の看板を昨年11月に贈呈したところ好評で、すぐに青果店、精肉店、陶器販売店、書店の4店舗から新たな依頼が来た。生徒2人一組で各店舗から希望を聞き取り、2カ月ほどかけ4店舗のオリジナル看板が完成した。

贈呈式で店主らは「上手に描けてら」と喜び、さっそく店の目立つ場所に看板を掲げていた。

父親の代から約70年にわたり青果店「百五(ひゃくご)」を経営する石井孝典さん(57)は「年中ある野菜」と「新鮮さ」をリクエスト。制作を担当した石尾祐華さんと長澤真生さんは、つや感とみずみずしさを鮮やかに表現したトマトや、白色を重ね光沢感を出したリンゴなど6種類の果物と野菜を盛り込んだ。2人は「特に苦労したのはキャベツの芯。立体感が出るように五つ以上の色を重ね、指でのばしながら描いた」と話し、石井さんは「色鮮やかでおいしそう。店の名も真ん中に書いてあり目立つ」と笑顔で喜んだ。

同商店街協同組合の松木由紀夫理事(70)によると、同商店街は20~30年ほど前までは、買い物客でひしめき合うほどにぎやかだったが、スーパーマーケットの台頭や後継者不足などにより近年は30店舗以上あった店も半減し、人通りも少なくなったという。若い世代が商店街に関わってくれることについて松木理事は「感謝しかない。われわれも頑張っていこうという気持ちになる」と奮起した。

同校は今後も希望があればこの取り組みを続けていきたいと話している。

贈られたチョークアートの看板を手に各店舗の店主と制作した生徒たち

贈られたチョークアートの看板を手に各店舗の店主と制作した生徒たち