思い胸に勝利を 市高野球部OB会の中村会長
第94回選抜高校野球大会第5日目(23日予定)の第1試合で、強力打線が武器の花巻東(岩手)と対戦する市和歌山。市和商・市高野球部OB会の中村扇一会長(64)も同校野球部出身。選手たちが甲子園で活躍する姿を楽しみにしている。
同OB会は、約800人の卒業生で構成されており、ことし3月に卒業する生徒は63期生になる。大会前には後援会を発足させ、校長、中村会長、保護者の代表が中心となって寄付金を募り、激励の言葉を贈るなど野球部を裏で支えてきた。
中村会長の高校時代のポジションはショート。進学先の近畿大学でも野球を続け、卒業後はNTT西日本(旧電電公社近畿)の野球部に所属していた。
2018年からOB会を率い「選手には、一つのプレーから2歩、3歩先まで読める感性を伸ばせるように」と話し、選手自身で考えるプレーをしてほしいと願う。
打撃に関しては課題があるものの、ことしのチームの成長ぶりを振り返り、「当初はがむしゃらにバットを振っていただけだったが、今はファウルで粘ねるようになった」と話す。相手投手の体力を消耗させてフォアボールを選ぶか、甘い球を捕らえてヒットでつなぐなど、チャンスを拡大できるようになったと評価する。
選手たちに向けては「背番号をもらえなかった選手や陰で支える人のために、みんなの思いを胸に秘めて勝ち上がってほしい」とエールを送っている。