衆院選挙制度見直しの課題 国民の声を背に与野党で議論

衆議院の選挙制度見直しについて、党有志のとりまとめ役の一人として報道されることもありますので、現状についてご説明します。
現在の小選挙区比例代表制は、導入されて四半世紀以上がたち、総選挙のたびに一票の格差を巡って訴訟が提起されてきました。そのような中で2016年に法が制定され、2020年国勢調査を踏まえアダムス方式により都道府県への定数配分が見直されることになっています。現在、審議会で区割り作業が行われており、6月25日までに答申された後、区割り法案が政府から国会に提出され、秋の臨時国会で審議されると予想されます。
その一方で、現在の選挙制度については、国民からもさまざまな批判の声が出てきました。地方の議員数減少により地方の声や実情が反映されにくい、落選した候補が比例で復活する、とくに東京では毎回のように選挙区が変更され細分化もされるなどの意見です。2月中旬のNHK世論調査でも10増10減を行うべきかとの問いに、行うべきが27%、見直すべきが48%、わからない等が25%との結果で、国民も多くの方が見直しを求めています。
このような中、1月13日与野党国対委員長会談で、野党から衆議院選挙制度の抜本見直しに向けた与野党協議会設置の要望が出されました。そこで有志があい集い、協議会の実現とそれを受けた自民党内での議論の場を求め、党所属衆議院議員に対し署名活動を行いました。
結果は、264名中155名と約6割の議員の賛同を得て、党幹部に申し入れたところです。現在は執行部預かりとなっていますが、近く与野党の協議会が設置され、衆議院選挙制度の抜本見直しについて、党内を含め議論されることを期待しています。
この署名活動を通し、課題は大きく次の3点に集約されました。
①憲法改正を視野に入れた抜本的な議論が必要な問題点
②公選法改正で対応できる現行制度の問題点
③10増10減案の再検討についての問題点
選挙制度は与野党の合意があって初めて法改正が行われるため、決して党利党略とはなりません。以上のような課題について、与野党で今後真摯な議論が行われます。国民の声を背にしっかり頑張ります。
一方、県内では1月25日突然、エネオスが和歌山製油所を来年10月を目途に閉鎖することを表明し、衝撃が走りました。従業員約450名、協力会社従業員約900名、さらに多くの関連事業者はじめ地域に与える影響は計り知れません。
会社、経産省、県、有田市、海南市からなる協議会が設置され、議論されることになっています。また、県選出自民党国会議員の二階、世耕、鶴保、石田、そして経産省(資源エネルギー庁)で早速集まり、今後随時協議を行うこととしました。
何よりも雇用を守り、地域の活力を維持できるようにすることが必須です。エネオスにも今後のあり方について、会社を挙げて取り組んでもらわねばなりません。同時に我々も、約80万坪もの広大な敷地だけに、さまざまなアイデアを持ち寄ることが大切で、複数の産業立地を考えるべきだと思います。