市和歌山4強逃す 大阪桐蔭の猛打防げず
第94回選抜高校野球大会(阪神甲子園球場)は9日目の28日、市和歌山が準々決勝で大阪桐蔭(大阪)と対戦。6本塁打を量産した大阪桐蔭打線の勢いを止められず、0―17で敗れた。市和歌山商時代に準優勝した1965年以来、57年ぶりの準決勝進出はならなかったが、3年ぶりにベスト8を果たした選手たちにスタンドからは惜しみない拍手が送られた。
【準々決勝】
大阪桐蔭 | 2 | 0 | 0 | 0 | 4 | 8 | 3 | 0 | 0 | 17 |
市和歌山 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
〔大〕前田、別所、南―松尾、工藤、砂川〔市〕淵本、米田、宮本、奥地―松村▽本塁打=谷口、星子、伊藤2、工藤、海老根(大)
先発したのは、1、2回戦で計294球を投げ、完投勝利を上げてきた米田天翼(つばさ)投手ではなく、今大会初登板の淵本彬仁投手(3年)だった。淵本は立ち上がりを攻められ、初回は2四球を与え2失点。2回以降は無失点で抑えたが、5回表に2発の本塁打を浴び降板。
火消し役に米田投手がリリーフ登板。しかし、相手打線の勢いを止められず、3本塁打を浴びた。アルプスから戦況を見守った米田投手の父・隆英さんは「2回戦で変化球主体の投球だったために、腰を痛めたようだ。本来の投球ができなくて天翼も歯痒いと思う」と話した。
マウンドを宮本勇投手(3年)に譲っても、流れを絶つことはできなかった。
9回表には、奥地悠斗投手(3年)が甲子園初登板で三者凡退に抑え、堂々の投球を見せた。
打線は、大阪桐蔭の前田悠伍投手(2年)を前に1安打と沈黙。1、2回戦で見せたつなぎのバッティングは鳴りを潜めた。
念願の4強入りは逃したが、米田投手は2019年に甲子園でベスト8まで勝ち進んだ兄・航輝さん(20)の成績に並んだ。隆英さんは「夏には兄の成績を超えてくれるだろう」と期待を込めて球場を後にした。