信頼関係で詐欺防ぐ JAながみねに感謝状

特殊詐欺を未然に防いだとして和歌山県の海南署は4月28日、ながみね農業協同組合JAながみね本店金融共済部(海南市大野中)に感謝状を贈った。

同署によると、同月19日午後0時30分ごろ、同市の80代女性から「300万円を出金したい」と同共済部に電話があった。同地域を担当していた男性職員が女性宅に向かい事情を確認したところ、女性は普段と異なる様子で「息子の治療のためにお金がいる」と話したという。男性職員は詐欺ではないかと思い、同署に通報。何度か男から電話があったため男性職員が電話を代わり、経緯などを確認したが、男は無言になり電話を切ったという。同時刻、捜査員は行動確認していた不審な動きをする男が、女性宅付近を電話をしながらうろうろしているのを確認。同事件の通報が入り、男に職務質問し、任意同行を求め所要の捜査後、逮捕した。

同所で行われた贈呈式では、森本仁署長が同共済部今西正樹部長に感謝状を手渡した。男性職員は「女性が私を信頼してくれ、事情を話してくれたことで未然防止につながった。自身も現場での対応に戸惑った部分もあったので対処法などの知識を身に付けたい」と言い、森本署長は「1人でも被害に遭わないよう金融機関などと連携し、未然防止につなげたい」と話した。

森本署長㊨から表彰を受ける今西部長

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