コロナ感染の労災118人 21年の県内まとめ
和歌山労働局がまとめた2021年の県内労働災害発生状況は、休業4日以上の死傷者数が前年より135人増加の1250人、死亡者数が横ばいの9人となった。死傷者のうち118人、死亡者のうち1人が新型コロナウイルスの感染によるものだった。
業種別の死傷者数の内訳は、製造業が284人(前年比15人増)と最も多く、保健衛生業239人(同80人増)、商業179人(同36人増)、建設業154人(同19人増)、運輸交通業103人(同6人減)、農林業100人(同14人増)と続き、これら6業種で全体の8割以上を占めている。
増減率でみると、保健衛生業が前年比50・3%増と特に増加が目立ち、新型コロナの影響を大きく受けている。さらに、新型コロナ感染者を除いた増加率でも同25・2%増と高いことから、同労働局は、感染状況が落ち着いた後、立ち入り調査などをして改善に向けた対策をとりたいとしている。
事故の型別の死傷者数の内訳は、転倒が272人で最多。建設業や運輸交通業で多い墜落・転落が200人、社会福祉施設などで見られる動作の反動・無理な動作が177人、はさまれ・巻き込まれが115人の順で続き、これらで全体の65%となった。
死者9人の業種別内訳は、建設業が3人、林業が2人、製造業、運輸交通業、保健衛生業、水産業が各1人。年齢別では、全体の3分の2の6人が50歳以上だった。
新型コロナによる死亡は、和歌山労働基準監督署管内の50代の介護職員が、新型コロナに感染した利用者の送迎などの業務で濃厚接触者となり、自身も感染し、呼吸器疾患により亡くなったというものだった。
同労働局は、第13次労働災害防止計画(18~22年度)に基づき、死亡災害の15%以上減少、死傷災害の10%以上減少などの目標を掲げている。小島敬二局長は「特に死亡災害を減らすため、対策に努めていきたい」と話した。