メェ~メェ~(命名)を ふうの丘ヤギ2匹
紀ノ川農業協同組合が運営するファーマーズマーケット「紀ノ川ふうの丘」(和歌山県紀の川市平野)に5月30日、1歳の雄の子ヤギ2匹が仲間入りした。現在、2匹の名前を募集中。「ヤギプロジェクト」と銘打ち、同農協と共に新事業として取り組むソーシャルファームもぎたての代表、中原力哉さん(38)は「マスコット的存在となる、かわいい2匹にすてきな名前を考えてください」と〝メェ~メェ~〟(命名)を呼び掛けている。
子ヤギは大阪府のワールド牧場からやって来た白とブチの2匹。同施設の駐車場横にある750平方㍍の広々とした飼育エリアで暮らしている。
プロジェクトの始動に伴い環境整備したエリア内には、同農協内で廃材となった木製パレットなどを活用し、手作りした小屋を設置。2匹は小屋の中でゆったりとくつろいだり、外に出て鳥のさえずりを聞きながら草を食べたりするなど、自然に囲まれた場所でのびのびと自由に過ごしている。
動物との触れ合いも行うワールド牧場で育った2匹は人慣れしており、今後は同所でも触れ合い体験などを開く予定。中原さんは「コロナ禍で疲れている人が、アニマルセラピーやケアファームのように、2匹に癒やしてもらえれば」と願う。
耕作放棄地の除草をはじめ、除草剤を利用せず「エコな除草」が可能なヤギは、学校や太陽光パネルの下など除草剤が使いにくい場所でも活躍する他、乾燥しているヤギの糞は堆肥(たいひ)としても活用するという。
同農協は古くから、農家と消費者のつながりを大切にするとともに、農業だけでなく環境保全や有機農業など、地域の社会的な課題に取り組んでおり、「低炭素」を実践する2匹が環境循環型農業のシンボル的存在になることにも期待。
中原さんは「敷地内に多様性のあるコミュニティーができ、いろんな人に関わってもらい、より多くの人にふうの丘を知ってもらうきっかけになれば」と話し、「ヤギに会いに来るだけじゃなく、新鮮や野菜や果物、おいしい食事もできるので、ゆったりと五感を癒やしに来てください」と笑顔で呼び掛けている。
すでに約150の応募があるという名前募集は5日締め切り。当選者には、同施設の商品券5000円分が贈られる。応募は同農協のホームページにある専用ページから。