絵と写真で世界一周を 「旅×ART展」
和歌山市のアーティスト、Lirio(リリオ)さんによる写真や絵画の作品展「旅×ART展」が26日まで、和歌山市民図書館(同市屏風丁)2階で開かれている。
かつて世界一周の旅をしたLirioさん。会場にはアジアやヨーロッパ、南米など、旅中に撮った18枚の写真と、旅先でスケッチブックに下描きせずマジック1本で描いた絵に、帰国後パソコンで色付けをしたというカラフルな9作品が並ぶ。和歌山にいながら、色鮮やかな絵や写真から世界を感じられる展示となっている。
ポルトガル語で「ユリ」を意味する「Lirio」のアーティスト名で活動する藤(とう)友理さんは広島県生まれ。3歳から20歳まで香川県で育ち、20歳の時に和歌山大学に編入してデザイン工学を専攻した。卒業後は㈱島精機製作所でグラフィックを担当し、4年間勤めた後、語学とデジタルデザインを学ぶためニューヨークに留学。
その後、「世界各国のアートにふれたい」と2008年、10カ月間の世界一周旅行へ出掛けた。30カ国を旅する中で、有名アーティストの作品や壁などに描かれたグラフィティアートを見ながら、「世界ではいかに日常の中でアートを楽しんでいるか」を肌で感じたという。
「アートを特別だと思わない環境で、もっと身近にアートを感じてほしい」との思いを込め、子育てを機に離れていたアーティスト活動をことし、約10年ぶりに再開した。
現在はフリーランスでデジタルファッションなどの仕事をしながら、「日常の中でアートを楽しんでもらえるように」とオリジナルデザインのコップやTシャツなどのグッズを展開。作品を仮想空間でバーチャル展示するなど、アーティスト活動にも力を入れている。
今展の一部作品も、デジタルアートとしてバーチャル美術館「ONCYBER」で鑑賞や購入ができ、Lirioさんは「世界中どこからでも見られるバーチャル展示もぜひご覧ください」と笑顔。「コロナ禍で海外に行きづらい今、写真と絵で世界を感じてもらえれば」と願っている。
午前9時から午後9時(最終日は5時)まで。問い合わせは同館(℡073・432・0010)。