県の景況2カ月連続悪化 帝国データ動向
帝国データバンクによる5月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は、全国が41・2(前月比0・4㌽増)と3カ月連続で改善した一方、和歌山県内は2カ月連続悪化の37・4(同2・2㌽減)となった。
全国のDIは、10業界のうち「製造」が悪化し、その他の9業界は改善した。
業界別のDIは、「小売」が36・4(前月比2・4㌽増)、「サービス」が44・8(前月比0・3㌽増)でいずれも3カ月連続の改善。「運輸・倉庫」は37・2(同0・6㌽増)で2カ月連続で改善し、「製造」は41・0(同0・2㌽減)で2カ月ぶりの悪化だった。
県内DIの全国順位は前月の29位から42位に後退し、近畿2府4県では2カ月連続で最下位。近畿のDI40・9、全国のDI41・2との差は拡大した。
規模別では、大企業は44・4(前月比5・5㌽増)に増加し、中小企業は37・1(同2・5㌽減)に減少。業界別では、「サービス」が改善、「不動産」「小売」「運輸・倉庫」が横ばい、「農・林・水産」「建設」「製造」「卸売」が悪化した。
先行きの見通しは、3カ月後が41・7(前月40・3)、6カ月後が44・6(同42・9)、1年後は45・9(同43・9)でいずれも改善に転じている。
同社によると、全国的には、ロシア・ウクライナ情勢、円安や原材料高による輸入物価の歴史的上昇、中国でのロックダウンや部品調達の困難化、半導体不足などのマイナス要因に直面した一方、個人消費関連の持ち直しが続いた。県内企業からは厳しい意見が多く、先行きも具体的な明るい材料に乏しく、不透明感がぬぐえない中、「不安定な世界情勢を主因として、ここしばらく県内景況は低位での推移が予想される」としている。
調査は5月18~31日にインターネットで行い、対象2万5141社(県内194社)のうち1万1605社(同74社)が応じ、回答率は46・2%(同38・1%)だった。