内職・副業の苦情急増 21年度消費者相談
和歌山県消費生活センターがまとめた2021年度の消費者相談の状況は、新型コロナウイルス関連の相談が減少したことを主な要因に、相談件数は5116件(前年度比554件減)と2年ぶりに減少した。一方で、化粧品・健康食品の定期購入トラブルに関する相談が高水準で推移し、20歳代を中心に内職・副業などのもうけ話に関する苦情が急増するなど、同センターは注意を呼び掛けている。
相談内容の内訳は、「化粧品」の定期購入トラブルなどに関するものが221件(前年度比14件増)でトップ。2位は「健康食品」関連の相談の195件(同176件減)で、賃貸住宅の退去時のトラブルなど「不動産賃借」が165件(同25件増)、格安スマートフォンの契約などの「携帯電話サービス」が119件(同1件増)で続いている。
相談の年代別割合は前年度と大きな変動はないが、最も多かったのは50歳代の22・5%(前年度比2・1増)で、前年度トップの70歳以上の22・4%(同0・4減)をわずかに上回った。
化粧品や健康食品に関する相談の主な内容は、インターネットやSNSで低価格を強調する広告を見て、1回だけのつもりで注文したところ、定期購入が条件となっており、想定以上の金額を請求されたというもの。
健康食品については昨年度、消費者庁が業者に業務停止などの行政処分を行い、同様の販売方法をとっていた業者が表示を改善したことを受け、相談件数が大きく減ったが、化粧品については3年連続で増加している。
内職・副業に関する相談は59件で、前年度の14件から4・2倍に急増。中でも20歳代は5・6倍の増加となった。SNSの広告を見て副業を申し込んだところ、業者から数カ月後に180万円もうかるコースがあると持ち掛けられ、100万円を支払った事例などがあった。同センターは、「簡単に稼げる」などの情報を安易に信じないようにし、手数料、登録料などの名目で高額な請求があった場合は注意するよう呼び掛けている。
近年増加傾向にある「不動産賃借」に関する相談は、過去10年間で最多の165件となった。賃貸マンションの退去時に、貸主から高額な原状回復費用を請求された、などの内容で、未成年を除く幅広い年代から相談があった。
偽のインターネット通販サイトに関する相談、出会い系サイトで連絡先の交換時に代金を要求されるなどの相談も増加した。
同センターは、相談は早いほどより良い解決につながるとして、一人で悩まず気軽に相談するよう呼び掛けている。相談は同センター(℡073・433・1551)、消費者ホットライン「188(局番なし)」へ。