パンダ号売ります 和市がオークション出品
「パンダ号」が手に入るかも――。和歌山市民なら一度は目にしたことがあるだろう、キュートな姿の元移動図書館車「パンダ号」が、インターネットの「KSI官公庁オークション」に出品され、入札の参加を募っている。申し込みは8月1日午後2時まで。
パンダ号は、学校や公園を中心に市内を巡回していた移動図書館車両。元は2001年に導入された無料のループバスとして使用され、城北駐車場を発着地点にぶらくり丁周辺などを巡回していた。
移動図書館としては02年から21年まで約20年にわたり活躍したが、燃料補給が難しい天然ガス車であり、老朽化で維持管理が難しくなり、昨年5月31日に引退した。
オークションへの出品は、長年市民に愛されたパンダ号を廃車にしないで再利用できないかと、市教育委員会読書活動推進課が提案。市の公用車としては初めての試みで、1年ほどかけて出品準備を進めてきた。
パンダ号は外観、内装とも移動図書館だった当時のまま。本棚だった車内の木製の棚も使用でき、後面ドアからの乗車もできる。車体にペイントしたパンダの顔もそのままで、ペロッと舌を出した姿は愛嬌(あいきょう)満点!
現在、自走はできないが、展示スペースや休憩所、物品・食料販売など、さまざまな用途での活躍が期待できる。
同課の井上豊英課長は「巡回していると小さい子どもが手を振ってくれるなど、本当に市民に愛されていたパンダ号。余生をどこかで過ごしてもらえれば」と話している。
人を運ぶループバスから、本を届ける移動図書館として第二の人生を歩んだパンダ号。落札すれば第三の人生は〝あなた次第〟になるかもしれない。
1日まで参加受付 最低価格は5万円
「KSI官公庁オークション」は、自治体が所有する財産の売却などを取り扱う。
パンダ号の入札は8月15日午後1時から22日午後1時まで。購入希望者は、事前の参加申し込みをした上で、同サイトで一般競争入札を行う。パソコンやスマートフォンから参加できる。最低落札価格は5万円。
7月中の平日であれば、パンダ号の下見ができる。2日前までに同課に予約する。問い合わせは同課(℡073・435・1165)。