世界トップレベル 強豪コーチサッカー教室

サッカーのフランス1部リーグの強豪、パリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織で11歳以下の子どもを指導するヴァシレ・ラヴリッチヘッドコーチ(30)が28日、和歌山県紀の川市を訪れ、実際にPSGで取り入れている世界トップレベルのトレーニング方法を県内の小中学生に教えた。参加者らは一つでも多くのことを吸収しようと、生き生きとした表情でトレーニングに臨んだ。

「ドリームチャレンジキャンプ」と題した2日間にわたるトレーニングセッションは、同市桃山町最上の「紀の海クリーンセンター多目的スポーツ公園」で開かれ、小学3年~中学2年の男女33人が参加した。

由良町出身でパリ在住の元プロサッカー選手、直川公俊(きみとし)さんが代表を務め、日本人選手の欧州移籍サポートなどを行っている「オイアリックフットボール」が主催。約3週間をかけて全国で同イベントを開いている。

直川さんと和歌山国際海洋高校(現和歌山南陵高校)の同級生で、元Jリーガーの羽畑公貴さんが昨年1月、同市に少年サッカーチーム「グランディール」を立ち上げ、直川さんがアドバイザーを務めていることから、県内初、同市での開催が実現した。

初日のこの日、ラヴリッチコーチは「良い選手というのは、一つひとつの練習から何か一つでも多くを吸収する選手。一つでも多くのことを吸収してほしい」と笑顔で呼び掛け、まずはボールを使ったウォーミングアップからスタート。

「ポゼッション」と呼ばれるボールを支配するためのプレーや、さまざまなステップを踏み、体の動かし方や俊敏性、リズム感などを養うメニューに取り組み、子どもらは世界トップレベルのトレーニングと指導を体感していた。

羽畑さんは「子どもらは大きな影響を受けているはず」と目を細め、「和歌山からJリーグや世界の舞台に一人でも多く立つ選手が出てくるよう、今後もどんどんこういう機会を提供していきたい」と話した。

ラヴリッチコーチは「暑いけれどみんな集中していて、楽しかったって言ってくれてうれしかった」と笑顔。「きょうのようなテクニックを鍛える練習を重ねて、右足も左足もどちらも使える選手を目指してほしい」とアドバイスを送った。

和歌山市の阪口晴崇(はるたか)さん(10)は「海外のコーチに詳しく教えてもらえてうれしかったし、楽しかった」とにっこり。将来はプロサッカー選手になってJリーグで活躍したいといい、「シュートがうまくなりたい」と意気込んでいた。

子どもたちを指導するラヴリッチコーチ(中央奥)

子どもたちを指導するラヴリッチコーチ(中央奥)