夏休みを規則正しく 南野上小で地域交流

夏休みの子どもたちに規則正しい生活リズムを身に付けてもらおうと、和歌山県海南市の南野上地区で10日、「夏休みラジオ体操&踊り&朝ごはん」の取り組みが行われ、朝7時半から南野上小学校(松元由里子校長)に集まった児童たちが、地域住民らと爽やかな汗を流した。

南野上公民館と同小学校、亀の川念仏踊り保存会が主催し、9回目。新型コロナの影響で2年間中止し、ことしは3年ぶりに規模を縮小して開いた。文部科学省が提唱する「早寝早起き運動」の一環で、同地区の熱心な活動は2014年に文部科学大臣表彰を受けている。

この日は児童10人と地域や学校の関係者ら15人が参加。児童たちはラジオ体操で体をほぐした後、市指定無形民俗文化財の「亀の川念仏踊り」について、保存会から指導を受けた。

踊りは南北朝時代、大阪四条畷の戦いに敗れた楠木正成の家臣が、一族と共にこの地に逃れ住み、戦いの様子を歌と踊りにして伝承したといわれている。踊りは11月に舞台で発表予定。練習後、児童は地域の人が作った弁当を受け取り、笑顔で帰宅した。

同小学校の児童は現在13人。公民館と隣接していることから、同館や地域が協力し合い、子どもを守る活動やイベントを行っている。

松元校長は「子どもたちを支えてもらい、そのおかげで気持ちの優しい思いやりのある子に育っている。踊りの練習では『自分たちが引き継いでやっていかなあかん』という気持ちが芽生えている子もいて、地域の皆さんのおかげです」と感謝。同公民館の片桐宏館長は「コロナ前はみんなでアツアツのご飯とおかずとみそ汁を一緒に楽しく食べていた。早くそんな日が戻ってほしい」と話した。

地域の人に教わりながら踊りを練習する児童たち

地域の人に教わりながら踊りを練習する児童たち