青少年育成で表彰 和歌山市11人と2団体

青少年の健全育成や非行防止、社会環境の健全啓発に顕著な貢献をした人や団体に、和歌山市青少年育成市民会議(会長=尾花正啓市長)が贈る「2022年度青少年育成功労賞」に11人と2団体が選ばれた。

団体の部では県立和歌山高校(同市新庄)と山口まちづくり協議会が受賞した。

同校の中村栄作校長は「多年にわたって活動してきた歴代の校長や教職員、生徒らの取り組みが評価されてありがたい」と感謝。村崎隆志教頭も「地域の中にある学校で、皆さんの積み重ねが形となった」と喜んだ。

同校では2003年から、春の恒例行事「チューリップフェスタ」を開催。生徒会や育友会を中心に、校内をきれいにするだけでなく、地域の人と関わるイベントとして約20年続いている。

その他、地域の「小倉地区文化まつり」では同校の生徒らが演奏や販売を行ったり、自治会のクリスマス会でも演奏をしたりと、長年にわたり地域との交流を深めてきた。

コロナ禍で行事が少なくなる中、ことし5月には同地区の側溝掃除への参加者を募ったところ、約30人の生徒が希望し、地域の人と清掃活動に励んだ。清掃後には「他のボランティアもしたくなった」「地域の人との関わりって大切だなと思った」などの声が上がったといい、中村校長は「コロナ禍で人とのつながりが薄くなっていて、生徒らも望んでいるんだと改めて分かった」と振り返る。

同地区の自治会長を務め、同校とさまざまな行事で関わっているという社会福祉法人哲人会・小倉園園長の髙倉理行(まさゆき)さんは「進んで交流してくれてありがたい。他の学校でも広めてほしい」と願いを込めた。

もう一つの受賞団体、山口まちづくり協議会は16年4月に発足。翌年には山口地区連合自治会の下部組織に承認され、主に子どもたちの食育に力を入れながら活動の幅を広げている。

田園や畑の多い地域柄を生かし、地域の子どもが大人と共に田植えや野菜作りをし、収穫した野菜の一部は地域の見守り隊らにお礼のメモを添えて贈るという。同協議会の竹中雅人会長(58)と同自治会の平岡卓治会長(60)は、食育として作り始めた野菜が地域のつながりを強く、広くするきっかけになっていると喜ぶ。

昨年からは新たな取り組みとして小麦作りをスタート。初めて収穫した約60㌔が同市と海南市の小学校給食のパンに使われた。ことしは昨年の10倍、約600㌔を収穫できたとし、小麦を使って地元ならではの食べ物を作る予定。

受賞を受け、竹中会長は「まちづくりに参加してくれたみんなでもらった賞」と笑顔。今秋150周年を迎える山口小学校を祝う文化祭が11月に開かれるといい、ともに同校出身の2人は「今後も生まれ育った山口を盛り上げ、後世に受け継いでいきたい」と意気込んでいる。

個人の部の受賞者は次の皆さん。かっこ内は推薦団体。

太田康二(直川地区社会福祉協議会)▽大塚光久(川永地区民生委員・児童委員協議会)▽大槻太津子(広瀬地区公民館)▽北畑裕子(和歌浦地区民生委員・児童委員協議会)▽河野雄之(木本地区連合自治会)▽土井麻子(ガールスカウト和歌山地区協議会)▽中島俊之(芦原地区連合自治会)▽山岡真美(城北地区連合自治会)▽前田勇(岡崎地区連合自治会)▽松井幸雄(西和佐地区連合自治会)▽宮本佳子(有功地区連合自治会)

笑顔の中村校長㊨と髙倉さん

笑顔の中村校長㊨と髙倉さん

校章の前で竹中会長㊨と平岡会長

校章の前で竹中会長㊨と平岡会長