ヒラメ大きく育て 園児が加太で稚魚放流
和歌山市つつじが丘のまことこども園(冨田修子園長)の年長児44人が7日、同市加太の深山湾に面した砂浜(城ヶ崎)でヒラメの稚魚約500匹を放流した。
公益財団法人県栽培漁業協会が主催。卵から稚魚になるまで人の手で育て、放流する栽培漁業の仕組みを子どもたちに知ってもらいたいと、1985年に始めた。
この日放流したのは、2月上旬に串本町の県南部栽培漁業センターの水槽で孵化(ふか)し、体長13㌢ほどに成長したヒラメの稚魚。園児たちは、初めて触れるヒラメの赤ちゃんに「ツルツルや」「口をパクパクさせている」と大喜び。大事そうにバケツから海に放流すると、沖へと泳いでいくその姿に「大きくなって帰ってきてねー」と笑顔で手を振り、見送った。
放流した木本茉妃菜(まひな)さんは「楽しかった。元気でね」と声を掛け、酒井蒼天(そら)さんは「ヒラメは食べたことがないので、大きくなったら釣りで捕まえたい」と笑顔。
同園の青山美喜副園長は「この体験を通じて、生きているものを大切にし、自然に戻り、また大きくなってみんなのところに帰ってくることを知ってもらえれば」と話していた。
同協会によると、放流されたヒラメの稚魚は、約2年で30㌢ほどの成魚になるという。ヒラメは定着率が高く、2年後には、腹が真っ白な天然魚とは違う、黒い色素のある放流魚が近隣で取れるのでは、と期待を寄せた。