県内景況マイナス幅縮小 財務事務所調査

近畿財務局和歌山財務事務所は、法人企業景気予測調査(8月15日時点)の結果を発表した。和歌山県内企業の7~9月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は3期連続でマイナスとなったが、前期のマイナス8・0から同1・1にマイナス幅が縮小した。先行きは、部品供給不足の緩和や新型コロナウイルスの感染収束に伴う需要増に対する期待感などから、プラスに転じている。

産業別BSIは、製造業が8・1(前期マイナス14・3)でプラスに転じた一方、非製造業はマイナス7・1(同マイナス3・8)にマイナス幅が拡大した。

先行き見通しは、全産業で10~12月期が7・5、来年1~3月期が6・5で、プラスに転じると見込まれている。

規模別BSIは、大企業(資本金10億円以上)が0・0(前期マイナス16・7)に大きく上昇し、中堅企業(1億円以上10億円未満)は0・0(前期0・0)で横ばい、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス2・0(前期マイナス10・9)に上昇した。

規模別の先行き見通しは、10~12月期で大企業が8・3、中堅企業が6・7、中小企業が7・8といずれもプラスに転じている。来年1~3月期は、大企業が25・0にさらに上昇する一方、中堅企業は0・0、中小企業は5・9に後退している。

企業からは、「付加価値の高い食用油の需要が好調であり、事業者向けの製品については価格転嫁も進んでいることから、売上が増加している」(化学)、「円安の影響で、前期と比べても仕入れ価格が上昇している。販売価格は値上げしているが、仕入れ価格の上昇に追いついていない」(小売)、「感染症の収束に伴い、アパレル関連の需要が増加することを見込んでいる」(繊維)などの声がある。

雇用情勢は、6月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で34・8(6月末時点30・6)で、「不足気味」超が拡大している。全産業の今後の見通しは、12月末が28・1、来年3月末が25・8となっている。

全産業でみると、2022年度の売上高は4・3%の増収、経常利益は103・1%の増益、設備投資は0・9%増の見込みとなっている。

調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)を対象に実施し、93社(回収率88・6%)から回答を得た。