1500基に願い灯し 粉河とうろう祭にぎわう

第13回粉河とうろう祭(同祭実行委員会主催)が17日、和歌山県紀の川市粉河の粉河寺で開かれ、灯籠(とうろう)の光やコンサートを楽しもうと約1000人が来場した。

同祭は、粉河の魅力を知ってもらう目的で2009年から毎年開かれていたが、新型コロナウイルス感染拡大により20年は中止、21年は無観客開催に。観客を入れての開催は2019年以来となった。

粉河中学校美術部によるイラスト展示、ふるさと学習の発表会を皮切りに、庭園前では同校吹奏楽部によるコンサートが行われ、粉河出身の歌手・TONPEIさんとのコラボも実現。本堂前では車楽ラブによる太鼓演奏が披露され、会場を盛り上げた。

ことしの灯籠は本堂前に600基、沿道に900基の合わせて約1500基を設置。地元の有志や同校生徒たちがコロナ収束や世界紛争の終結を願い、思いを記した灯籠を青海波模様に並べた。

午後5時半、美琴カルテットによる大正琴の音色に乗せて点灯されると、本堂前は幻想的な明かりの空間に包まれた。背中に「祭」と書かれた法被姿で点灯に参加した市内在住の小畑飛鳥さん(20)は、「久しぶりに祭りの雰囲気を堪能できて、とてもうれしい」と笑顔。

祭りの締めくくりには、TONPEIさんが本堂内で30人限定ライブを開催。本堂横では、子どもたちが粉河寺縁起絵巻の紙芝居「童男(どうなん)さん」を観賞し、それぞれ秋の夜長を堪能した。

同祭実行委員長の木村隆男さん(61)は「粉河寺で初の開催となり、うれしい限り。いい思い出を持って帰ってもらいたい」と話した。

 

本堂前に並んだ灯籠