知事選で自民が岸本氏推薦 仁坂氏も支援へ
任期満了に伴う和歌山知事選挙(11月10日告示、27日投開票)で、自民党が3日、国民民主党を離党した前衆院議員の岸本周平氏(66)の推薦を決定。これを受け、今期で退任を表明している仁坂吉伸知事は4日の定例記者会見で、岸本氏を支援する考えを示した。
仁坂知事は以前から、自身の選挙で支援を受けてきた自民の推薦候補を支援するとし、当初は、自民県連が擁立を一度決めた和歌山市出身の総務官僚を応援する意向を示していたが、自民の方針転換に伴い、「岸本氏を応援することになる」と述べた。支援の内容については、「応援演説に来てくださいとか言ってくるだろうから、言ってこなかったら気持ちだけだけど、言ってきたらそれに応じていろんなことをすることになる」と話した。
自民県連は9月3日、総務官僚の推薦を決定したが、県内21市町村でつくる県町村会が8日、岸本氏の推薦を決めたことをきっかけに、方針を転換。仁坂知事はこの間の対応について、自身が総務官僚の支援を表明した後、町村会が岸本氏推薦を決める動きを見せたことから、町村会の理事らに電話し、知事と町村会が対立することにならないよう、組織としての決定はしないよう依頼していたことを明かした。
こうした依頼を知事が行うことに問題はないのか問われた仁坂知事は、町村長が個々に誰を支援するかは自由であり、あくまで町村会としての決定により、自身と対立する図式になることを避けるための打診をしただけとし、問題はないとの認識を示した。
また、岸本氏の人物の評価について問われた仁坂知事は、「選挙を前に、候補者を批判したり、批評したり、称賛したりするのは、知事としての立場からはよろしくない」として答えなかった。