太洋工業が新用途開拓 鏡面研磨機事業で
フレキシブルプリント配線板などを手掛ける和歌山市有本の太洋工業㈱(細江美則社長)は、鏡面研磨機事業において、新たな用途の開拓をしたと発表した。
同社は、グローバルで自動車の電動化が進み、リチウムイオン電池の需要が大幅に拡大していることを受け、リチウムイオン電池用のセパレータフィルムを製造する際に使用される、めっきロールの表面を研磨する鏡面研磨機の新たな用途を開拓し、受注を獲得した。
鏡面研磨機は、連結子会社の㈱ミラックが製造し、同社が販売。同社によると販売実績を重ねてきたものの、近年は機器の更新需要に限定され、販売台数が伸び悩んでいたという。
リチウムイオン電池は、自動車の他、大型タブレットや電動工具、電動二輪車、小型船舶などに利用が広がり、特に大型電池の需要が拡大。市場の活況を受け、電池に組み込まれるセパレータの幅を広くすることやコスト削減を目的に、ロール径の大型化とロール全長の長尺化により、大型の鏡面研磨機の需要が一段と増加しているという。
同社では新たに国内外の市場を開拓し販売を強化するとともに、さらなる受注の獲得に注力するとしている。
受注案件については、半導体などの電子部品や機構部品の納期遅延の影響が大きく、2023年12月期および24年12月期の納期予定となっている。