全数把握見直しから1週間 県状況まとめ

和歌山県は5日、全国一律の新型コロナウイルス感染者の全数把握見直し以降の9月27日から10月3日までの県内の状況をまとめ、発表。感染の疑いがある場合に登録を呼び掛けている「陽性者登録センター」への登録で、おおむね感染状況の実態を把握できているとする一方、自宅療養者の対応に課題が残ったとした。

県によると、3日現在で、センターへの登録者数は1415人で、発生届入力数は342人で計1757人。医療機関や保健所で把握した1週間の日次報告数は1722人だった。1週間の発生届出数は、日次報告数の19・9%で、登録数は日次報告数の82・2%。入力や登録の時間の差があるものの、陽性者の多くが登録していると考えられるという。

簡略化されることで、全体がつかみにくいと懸念されていたことに対し、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「行動や職業、ワクチン接種の有無が分からない。推定で憶測をせざるを得ない」と話した。

また、システム移行期に1人暮らしで基礎疾患のある和歌山市の50代男性が、自宅療養中に死亡したことについて報告。9月26日に男性から発熱などの症状を訴える電話が保健所にあったが、保健所は医療機関を紹介するにとどまり、2日後に自宅で亡くなった。野㞍技監は「その後、受診したかの確認ができていなかった。とても重く受け止めている。今後は受診状況を確認するよう徹底する」と話した。

今後はインフルエンザとの同時感染も懸念されており、「感染者は減少しているが再拡大の可能性がある。引き続き積極的に受診、自主検査、陽性者登録に対応してほしい」と呼び掛けた。

 

会見する野㞍技監